【APS-C】RIKENON P 50/2の作例
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短鏡胴タイプの、“P” 付きリケノンの絞り開放での作例。APS-Cのデジカメで撮影しているので、画面周辺の画質は参考にならない。画面中心を見てほしい。“初期型”に遜色のない像である。点光源のハロの出方も“初期型”との違いは分からない。素晴らしい描写だと思う。
ところで、アサヒカメラ1993年10月号の「特集 再検証 50ミリレンズの実力」で本レンズが測定されており、画面中心解像力は112本/ミリと、初期型の180本/ミリをかなり下回っているが、同記事の次の記載は注目に値する。
“78年の診断室で・・・テストしたXRリケノン50ミリF2とほとんど同じ構成と同じ収差内容だ。”
解像力は測定値ゆえの誤差や個体差も加わるため、数値が異なるからと言って設計変更を証明するものではない。むしろ、“同じ収差内容だ。”としている点に注目する必要がある。蛇足だが、MTFは画面周辺でも画質低下が少ないことや、非点収差が半画角約18度までほぼないことなど、本レンズもなかなか素晴らしい測定結果であったことを申し添える。非点収差の補正を重視している点は、ライカ流の設計といっても過言ではない。
こうして自分の所有レンズを比較した限りでは、短鏡胴の物も“初期型”も同一光学系、すなわち設計変更は行われていない(変更したのは鏡胴部の設計だけ)と、私は思う。もしこの推察が正しいなら、ネットの噂、特に、富岡光学製か否かという議論は全く意味をなさないことになる。畢竟、大事なのは、何処が作ったかではなく、誰が設計したか、であろう。
PENTAX K-S2+RIKENON P 50/2
Albums: ネットの噂を検証する―“和製ズミクロン”は“初期型”だけ?
Tag: レンズ
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