筍ラーメン@花ぞむかしの・台東区浅草
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茶寮 花ぞむかしの
台東区浅草1-18-9
こちらの店主さんは、以前は千代田区小川町で「Zect by Lm」というイタリアのフィレンツェ料理を提供するお店を経営していた。そのお店では、毎週土曜日に特別営業としてラーメンを提供していて、何回も食べに行ったことがある。実は、この店主さん、かなりの長きにわたってラーメン職人の経験がある方だ。その後のコロナ禍を経て小川町のお店は閉店し、昨年秋にこちらでカフェとして再開したという次第だ。炙りチーズケーキを主力標品として営業していて、その間に何度か限定ラーメンも提供していたようだがあいにく未訪だった。今回、春になって旬の時期を迎えたので標記の限定メニューを4月22日(土)から販売開始したそうなので平日に訪れた。雷門付近は外国人を主体に観光客でごった返していたが、メインストリートを外れると平日のためか落ち着いた雰囲気に戻った。お店の方も11時半前と食事には少し早い時間だったため空席があり、すんなりと入店することができた。入ったところに受付みたいな場所があり、そこでにこやかな笑顔で店主さんがお迎えをしてくれる。店主さんにご挨拶した後、筍ラーメンをお願いするとともに1300円を支払う。たまたまこの日はスタッフ急病でワンオペだったようで、他のお客さんへの商品提供もあって配膳までには20分ほどを要した。
丼を見ると淡い色合いの醤油ラーメンで、麺の上にはタケノコと斜め薄切りの長ネギが載っているだけとシンプル。ただ、山椒が振りかけられているので良い香りがするとともに、麺の一部分が赤くなっているのでラー油もかかっているようだ。このため、軽くかき混ぜてから食べ始めた。麺は弱縮れの中麺。噛んでいる間はずっと歯応えを感じる食感がユニーク。浅草開化楼の低加水麺だそうだ。低加水麺なので食べている間に伸びるが、そのスピードはかなり遅くので慌ててすすらなくても大丈夫だ。なお、麺の持つ小麦の風味に関しては、残念ながらスープが素晴らしすぎて感じ取ることができなかった。スープは、何かの味が目立つわけでもないが旨味十分で塩加減も適度、かつ、山椒の香りとラー油のピリッとした辛さがアクセントになっていて実に味わい深い美味しさだ。これが山形産タケノコを圧力鍋で炊いただけの出汁と醤油ダレを合わせただけとはとても思えない。そもそも、タケノコはアクが強いので米糠等と一緒に煮てアク抜きしてしまえば旨味云々なんてことにはならないという先入観がある。しかし、現実に麺の上に載るタケノコは、長時間煮ただけでアク抜きしていないという代物だが、今まで味わったことがない旨味と風味があり美味しい。丼に添えられていたほうじ茶おこわのおにぎりは、3分の1ほどは香の物と食べ、残りは麺と具材を食べ終えて残ったスープにドボンし、即席雑炊として完食。なお、その際、丼の底に豚挽き肉が何粒か沈んでいたが、これは出汁とカエシを合わせる際に味出し用に加えられたものだろう。
小川町のお店の時代ははほぼ毎年作っていたという店主さんのお気に入りの一品だけあって、何度でも食べたくなる味だ。今日の時点では残り3杯とか言っていたように思うが、土曜日にタケノコが届くのでまだしばらくは提供できるという話だった。今週末から始まるゴールデンウイークには特段の予定はないので、また来週食べに来ようかな。
・お気に入り度:〇+
Albums: 東京のラーメン・その4
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